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vol.75 医療福祉の接遇マナーの5原則とは

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どのような現場でも知識、経験、テクニックが必要とされるのは当たり前ですが、それ以前に必要とされるのが「接遇マナー」です。とても基本的な事なので見過ごしがちな方、社会人経験を重ねる事によって忘れがちな方もいらっしゃると思います。最近、医療福祉の現場では「接遇マナー」が注目されつつありますが、「接遇マナー」を見直す事により他の施設との差別化ができ、施設のブランディングに繋がり評判が良くなったり、現場の雰囲気が良くなり離職率が低下したりと良い効果が期待できます。今回はそんな「接遇マナー」について学んでいきましょう。

 

1.接遇マナーが介護現場に与える影響とは?

接遇マナーを意識する事で職場にとってどのようなメリットがあるのか考えてみましょう。まず、一人ひとりが接遇マナーを心がけることによって、現場の円滑なコミュニケーションを促し、スタッフ同士やスタッフとご利用者様の間の信頼関係を築き、ご利用者様の尊厳を守りながら、信頼関係によって転倒や怪我などのリスクを軽減し、より良いサービスを提供することができます。また、良好なコミュニケーションは傍から見ているご利用者様やご家族様にも安心感、信頼感を与え、好感度がアップし、施設の評判も良くなります。さらに、ポジティブな言葉や環境は自分自身のためにもなります。言霊という言葉があるようにポジティブな言葉もネガティブな言葉もあなた自身が聞いています。自分自身の耳にもポジティブな言葉をかけてあげましょう。

 

2.接遇マナーで大切なことは5つだけ。

「接遇マナー」というと堅苦しい感じがするかもしれませんが、接遇で大切な事は、表情、挨拶、言葉遣い、態度、身だしなみのたったの5つだけです。この5つは接遇の5原則と呼ばれています。まずは、心がける事から始めてみましょう。それが「接遇マナー」への第一歩です。

①表情

なるべくどんな時も笑顔でのコミュニケーションを心がける。忙しくて疲れた顔やしんどい顔になってしまう時もありますが、そんな顔をしていては、ご利用者様もご家族様も話しかけにくく、相談もしずらくなってしまいます。なるべく話しかけやすい雰囲気を保つのも表情ひとつです。

②挨拶

相手の目を見て、にこやかに挨拶をするのはコミュニケーションの基本です。どんな方でも、気持ちの良い真っ直ぐな挨拶をされると嬉しい気持ちになるものです。大きな声が苦手な方もいらっしゃいますので、大きすぎず、小さすぎない適度な声量で挨拶をしましょう。また、自分から積極的に挨拶をして声をかけていくのも大切です。ご利用者様の方から挨拶をされた時には、一旦仕事の手を止めて向き合ってお話をしましょう。

③言葉遣い

言葉遣いは難しいもので、人によって同じ事を言っても聞こえ方が違ったりしますが、基本に戻りもう一度見直しましょう。よかれと思って使った丁寧語が過剰にへりくだったように聞こえたり、聞き慣れない丁寧すぎる言葉に窮屈さや居心地の悪さを感じてしまう方も多くいらっしゃいます。正しい敬語で思いやりの心を持って接しましょう。また、いくら親しみを込めていてもタメ口はダメです。ニックネームで呼んだり、呼び捨てにするのも多くの場合は失礼に当たります。また、感情に任せて理不尽に声を荒げてしまったりなどは決してやってはいけません。相手への敬意を忘れないように注意しましょう。丁寧すぎず、馴れ馴れしすぎずと難しいところですが、心を柔らかく持ち、時には言葉に頼りすぎないでオノマトペ等も使いながら、その場、その方に応じた対応をしていきましょう。

④態度

ご利用者様とお話しをする際は、同じ目線で適切な距離感で話す事が大切です。会話をする時は一旦手を止めて、体ごと相手の方に向き、自分が話すよりも相手の話を聞く、理解しようとする姿勢を取りましょう。尊敬の気持ちを忘れずに、目を合わせ、相槌を打ちながら話を聞く事で相手にもこちら側の気持ちが伝わります。また、きちんと最後まで話を聞くように心がけましょう。

その他にも「立ち居振る舞い」というところでは、ご利用者様の前での大声や申し送り、スタッフ間の会話はやめましょう。部屋へ入る時は必ずノックをして返事があるのを待つか、数秒おいてから入る、お見送りの時は下まで降りて、角を曲がるまで見送るなどの気遣いを忘れないようにしましょう。

⑤身だしなみ

介護の現場はご利用者様との距離が近いので、身だしなみはお互いの安全を守りながらサービスを行う上で必要不可欠です。衣類やアクセサリー、爪によって思わぬアクシデントを招くことも考えられます。また、相手に不快感を与えないよう清潔を心がけましょう。髭や爪が伸びていないか?衣類のほつれがないか?フードのついた服を着ていないか?服や靴のサイズは自分のサイズに合ったものか?衣類にシワやシミはないか?お化粧や髪型は相手に配慮したものですか?

接遇マナーに正解はありません。人は、一人ひとり違う人間です。居心地が良いと感じる距離感も求めていることも違います。相手への思いやりの心を持っていれば、上記の5つの事は自然とできることばかりですが、時々、自分自身の行動を振り返り、確認をしてみましょう。

 

※こちらの記事に関するお問い合わせはこちらまで|tel.086-420-1500 (広報CSR部 河﨑)

 

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